テイ・エス テックの歩み
- 1960
-
束京シー卜株式会社 設立
前身の帝都布帛工業株式会社より二輪車用シー卜事業を引き継ぐ
- 1963
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四輪車用シート事業開始
作業服縫製から二輪車・四輪車事業へ挑戦
当グループの前身となる帝都布帛工業は、 当時ホンダの作業服を生産していましたが、 縫製技術が買われ二輪車用シート生産を開始。 スーパーカブの爆発的ヒットにより生産体制を拡大しました。
その後、 ホンダT360用のシートなどから四輪車用シートの生産を本格的に開始し、規模を順調に拡大していきました。ホンダ T360用シート
ホンダ 初代スーパーカブ用シート
- 1970
- 1977
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北米進出
いち早く北米現地生産開始
海外に初めて進出したのは、1977年。米国ネブラスカ州に生産子会社を設立し、カワサキ向けの二輪車用シートの現地生産を開始しました。
その後、ホンダ向けの生産を開始。四輪車用シートをはじめ、現地での生産規模を拡大し、現在は、日本、米州、中国、アジア、欧州での生産体制を構築しています。品質への挑戦
テイ・エス テックにとって四輪車用シートづくりの原点ともいえる、ホンダ初代CIVIC用シート。表皮の縫い目破れや、当時は日本人のみを想定して設計したことで、極端に大きな体格の方が乗るとシートフレームが変形するなどトラブルが頻発しました。こうした、トラブルを即座に社内共有し迅速に改善するシステムは、現在でも活かされており、当時の苦い経験が品質への強いこだわりへと受け継がれています。
ホンダ
初代CIVIC用シート
1972年発売
- 1980
- 1990
- 1994
アジア進出
- 1996
南米進出
- 1997
テイ・エス テック株式会社へ商号変更
- 1999
欧州進出
機構設計技術を駆使したシートアレンジ
1990年代にはミニバンブームが到来。車内は「楽しく過ごせる空間」であることが求められ、当グループでも多種多様なシートアレンジに力を注ぎました。
さまざまな使い勝手を想定したアレンジを、蓄積してきた機構設計技術やノウハウを活かして開発。長い歴史を持つ欧州完成車メーカーからも高く評価されています。ホンダ 初代STEP WGN 回転対座シート 対面モード
軽量化へのあくなき探求 ホンダ NSX アルミシートフレーム採用
1990年に登場した、ホンダのスーパーカーNSX。その驚異的な性能を実現するためには軽量化が不可欠でした。
そこで、シートフレーム素材において、従来の鉄からオールアルミでの開発に挑戦。加工法や防錆技術など試行錯誤し、当グループの技術が惜しみなく投入されたシートは、車体の大幅な軽量化に貢献。
それらの技術は、新型NSX用シートにも活かされ、アルミと先端素材を融合したフレームへと進化しています。ホンダ NSX用シート
快適性の追求
人によって感じ方の異なる快適さや疲労度などの官能性能を定量化し、人間工学に基づいた研究を重ね、快適姿勢の独自理論を製品に反映するなど「快適で疲れにくい」シートを追求し続けています。
- ホンダODEYSSEY用シート
2013年発売 - 背もたれを倒すと連動して座面が持ち上がる。快適姿勢に近づけ、最上の快適性を実現。
- ホンダ CIVIC用シート
1995年発売 - 座席の高さを調整する機構を初採用。小柄な人でも運転しやすいポジションに調整できるようになった。
- 2000
- 2001
中国進出
- 2007
東京証券取引所市場第一部上場
世界トップ品質を目指して「桁違い品質」の実現
2000年代初頭、世界のメガサプライヤーと伍して戦うために、まずは「世界TOP品質」を目指しました。
当時は、「桁違い品質」を合言葉に、生産効率と品質向上に寄与する治具ラインの導入などの設備面にとどまらず、モノづくりの意識改革にも取り組みました。
現在では、米国の調査会社によるシートの品質および満足度調査で、車格別の部門で上位を獲得するなど高い評価を得ています。高性能ダイナミックスレッド試験機により蓄積した安全評価技術
2004年、従来の設備に加え、衝突時の衝撃を忠実に再現する世界最先端のダイナミックスレッド試験機を、日本で最初に導入しました。
年間1,000回を超える試験で蓄積した安全評価技術によって生み出されたシートは、各地域の自動車安全評価機関でトップクラスの安全性を認められています。強固な収益体制へ
事業拡大が進むにつれ、世界規模の金融危機や各国で起きる自然災害など、外部環境の変化から受ける影響はより深刻なものとなりました。
そのような変化にも耐えられるよう取り組んだ、生産ラインの自動化技術をはじめとする徹底した開発・生産の高効率化が、現在のテイ・エス テックグループの高収益体質の基盤となっています。自動溶接設備
- 2010
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創立50周年
さらに快適で安全なシートへ電装デバイスの増加
昔のシートは、主に骨格フレーム・クッション・表皮カバーで構成されたシンプルな構造でした。現在では、多くの電装デバイスが組み込まれており、より安全でより快適な魅力ある製品に進化しています。
当グループでは、電装関連の研究開発を行う専門部署を設置し、新しい機能の提案から、制御設定、システム検証まで、自社完結で行える体制を整えています。電装関連デバイス(青色の箇所)
IOT×センシング技術で新たな“座る”の価値を創出
シートに取り付けたセンサーにより、生体のさまざまな情報を取得するセンシング技術は、近年大きく進化しています。
乗員の体格に応じてシートポジションや硬さを自動調整し快適な座り心地を提供するシステムや、乗員の動きを感知して誰もが座りながらスポーツを楽しめるシステムなど、これまでの常識にとらわれないシートシステム開発に取り組んでいます。新たな価値創出
大きな変革期を迎える自動車業界において、自動車に求められる機能や価値は大きく変化しています。
そのような中、これまでのシートやドア単品での開発にとどまらず、自動車の車室空間を一括でコーディネート可能な「内装システムサプライヤー」を目指し、他企業との提携や共同開発も駆使して、新たな価値創出に取り組んでいきます。タッチセンサー用フィルムの技術を持つカナツと
共同開発した次世代タッチスイッチ
- 2020
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創立60周年